はじめに
外国人材の受け入れを考える企業が増える中で、「どの送出し機関に依頼すべきか?」「そもそも送出し機関とは?」という疑問を持つ担当者は少なくありません。技能実習や特定技能といった在留資格において、送出し機関は人材の質を左右する極めて重要な存在です。本記事では、送出し機関の役割や現状、選び方、そして当社AIBOUインドネシアの取り組みまでを詳しくご紹介します。
送出し機関とは?
送出し機関とは、外国人材が母国から日本に渡航し就労する際に、募集・教育・送り出しまでを担う現地の機関です。主に技能実習制度で必要とされ、日本側の「監理団体(協同組合)」と提携して実習生を送り出します。
インドネシア、フィリピン、ベトナムなど多くの国に政府認可を受けた送出し機関が存在し、候補者の選定、日本語教育、入国前手続きなどを行っています。
インドネシアにおける送出し機関の現状
インドネシアには現在、517の送出し機関が認定機関リストに登録されています。(※参照:OTIT 外国政府認定送出機関一覧 2025年5月2日時点) その内、日系で運営されている送出し機関は全体の1割から多くて2割が現状です。
インドネシアではBP2MI(国家送出庁)という政府機関が制度を管理しており、一定の基準を満たす機関しか運営が認められていないものの、日経レベルで管理体制を構築できている機関は一部と言えるでしょう。
送出し機関にまつわる課題とリスク
信頼できる送出し機関を選ばなければ、以下のようなリスクが発生します:
- 技能実習生への高額な徴収→技能実習生の失踪
高額な入国準備費用を実習生から徴収し、借金状態で日本に入国し、その後、失踪してしまうケースが後を絶ちません。 - 対応の遅さや責任者不在
実際に著者がフィリピンで送出し機関を提携目的で探した際、4社と繋がりましたが、代表や役員からのレスポンスが遅く、日本人感覚では当然レベルの約束事等を守ってもらえないことが殆どでした。
実際に技能実習生が入国前に支払っている金額は添付の通りです。

(※参照:出入国在留管理庁「技能実習生の支払い費用に関する実態調査の結果について」)
フィリピンは国のルールで送出し機関が技能実習生から費用を徴収できないため、他国と比べて費用が低くなっております。そのフィリピンを抜くとインドネシアやミャンマーが支払い費用が少なく、ベトナム・中国・カンボジアはかなりの高額となっております。面白いことに、現在外国人材市場で需要が高いインドネシアとミャンマーは支払い費用が少なく、一方で失踪が理由で敬遠され始めてきたベトナムが支払い費用で最高額という構図です。この点から、入国前段階で支払い総額を確認することもリスクを軽減するための1つの手です。
送出し機関が担っている業務
送出し機関の主な業務は以下の通りです:
- 候補者の募集・面接調整
- 日本語教育、マナー教育
- ビザ・在留申請のサポート
- 健康診断や各種証明書取得
- 出発前オリエンテーション etc…
これらの業務をどの程度自社内で対応しているかは、機関によって差があります。
表面的には同じように見えても、教育の質・準備期間・対応力に大きな違いがあります。
AIBOUインドネシアと他機関との違い
当社のインドネシア送出し機関「AIBOUインドネシア」は、通常の機関とは以下の点で大きく異なります:
1. 日本語学習の時間
多くの送出し機関では、内定後に初めて日本語学習を始め、6ヶ月ほどで入国させるという形式が一般的です。一方で、AIBOUインドネシアは日本語学校の機能も併設しており、常に生徒が在籍しています。そのため、候補者は入国前の1年間、安定して日本語教育を受けることが可能です。

上記の通り、弊組合の送出し機関は一般の送出し機関と比較して、約2.8倍の日本語学習時間を確保し、技能実習生を受入企業様に送出しをしております。
2. 日本人による管理
私たちは、日本人3名のマネジメントのもと、インドネシア現地でのトレーニングから国内の受入・実習生管理をになっております。インドネシアの管理者は(前職も含め)これまで10年以上インドネシア人材の送出し実績を持つ者です。又、国内の受入業務では、著者と代表理事が管理をしております。著者と代表理事については、これまでフィリピン人材約200名を雇用/マネジメント経験があるため、国内での実習生のトラブル対応といった一般的な監理団体の業務だけではなく、外国人雇用においてもご支援することが可能です。
良い送出し機関を見極めるポイント
信頼できる送出し機関を選ぶためのチェックポイントは以下の通りです:
- 連絡は直ぐに返ってくるか?
- 実習生の日本語力は十分か?
- 不当な費用請求がないか?
これらを事前に確認するだけでも、大きな失敗を避けることができます。
まとめ
送出し機関の選定は、外国人材採用の成功・失敗を分ける最も重要な要素の一つです。制度に詳しくても、実務運用ができなければ意味がありません。AIBOUインドネシアでは、候補者の質、日本語教育、サポート体制において常に高水準を維持しながら、企業が安心して人材受け入れを進められる体制を整えています。