はじめに:面接〜合格プロセスの全体像
技能実習生の採用プロセスでは、「面接して内定を出せば終わり」ではありません。履歴書の確認、面接方法の選定、評価、合否の通知、そしてその後のスケジュール調整まで、一連の流れを理解することで、スムーズかつ失敗のない採用につながります。本記事では、技能実習生の面接から合格通知に至るまでの流れを、現場経験に基づき分かりやすく解説します。
ステップ1:求人条件のすり合わせと募集開始
最初に行うべきは、受入企業と監理団体・送出し機関の間での「募集条件のすり合わせ」です。職種、作業内容、希望する人数、入国希望時期、勤務地、寮や福利厚生の有無などを明確にします。求人票をいただくことで、AIBOUインドネシア(送出し機関)にて面接を設定します。
これからAIBOUグループのインドネシア人材を受入をご検討の企業様には、「繋ぎ面接」をご案内することも可能です。繋ぎ面接とは、アイボウ協同組合に組合員として加盟する前に、弊グループのインドネシア人材の日本語力をチェックするためのお試し面接を指します。
ステップ2:送出し機関による候補者の選定
すり合わせた条件に基づいて、送出し機関が現地で候補者をピックアップします。履歴書(CV)、学歴、職歴、日本語能力試験(JLPT/NAT)などの情報を整え、企業側に提出します。ここでの情報精査が非常に重要です。AIBOUグループの場合、常時日本語を学習する生徒がいるため、求人票をいただければ、既存生徒の中から候補者をピックアップして面接をご案内しております。(通常、1求人に対して3-4名の候補を選出します)
ステップ3:履歴書・プロフィールの確認ポイント
企業が履歴書を見る際、単に「同業種の経験があるか」だけでなく、以下のポイントを確認することが重要です:
- どのくらいの期間、安定して働いた経験があるか
- 日本語のレベルと学習時間
- 家族構成や本人の志望理由
- 働くことに対するモチベーション
背景まで深く確認することで、失踪リスクや早期退職の予防にもつながります。
ステップ4:面接方法の種類(オンライン・対面)と準備
現在の主流はZoomなどを用いたオンライン面接ですが、現地での集合面接や個別訪問も選択可能です。
オンライン面接の場合:
- 安定したインターネット環境の準備
- 通訳者の配置 (AIBOUのスタッフが対応いたします)
- 事前に候補者向けのご質問をご検討ください。
対面面接の場合:
- 渡航日程や滞在費の調整
- AIBOUのスタッフが空港まで送り迎えをします。
- 現地にて対面面接後、ジョグジャカルタやジャカルタのアテンドも可能です。
ステップ5:面接当日の流れと評価の観点
面接当日は、まず簡単な自己紹介からスタートし、業務理解度や態度、志望動機などを確認します。評価のポイントは以下の通り:
- コミュニケーション力(日本語が話せなくても意思疎通ができるか)
- 表情や目線、挨拶などのマナー
- 現場で求められる体力・忍耐力に関する理解
単なる受け答えよりも、姿勢や態度、やる気などの「非言語的な要素」が特に重要視されます。
ステップ6:合否の決定と通知手続き
面接後、できるだけ早く合否を決定し、送出し機関および候補者に伝えます。雇用契約書やサインシートもこの段階で作成します。
ステップ7:合格者への内定通知と今後のスケジュール共有
内定者には、今後のスケジュール(現地講習、日本語教育、ビザ申請、渡航時期など)をAIBOUグループから丁寧に共有します。この段階で不安を減らし、期待値を合わせておくことで、入国後のトラブル防止に繋がります。
AIBOUグループの面接サポート体制
AIBOUグループでは、面接前に候補者へ受入企業の情報を共有し、業務内容や職場環境を事前に把握してもらいます。また、通訳スタッフも同席することで、双方の意思疎通に齟齬が生じないよう配慮しています。通常、他の送出し機関では、技能実習生との面接はすべて通訳を介して行われますが、弊グループでは、事前に日本語教育を受けているため、一定レベルの内容であれば日本語での会話による選考も可能です。
まとめ:採用成功のカギは“選び方”より“向き合い方”
技能実習生の採用においては、履歴書や面接の「点」で評価するのではなく、候補者との関係構築や将来の成長を見据えた「線」で向き合う姿勢が求められます。候補者に対して真摯に向き合う企業は、採用後の定着率も高い傾向があり、技能実習生だけではなく特定技能に在留資格を切り替えた後も継続的に就労するケースが多いです。
単なる採用作業ではなく、未来の仲間との最初の接点として、面接プロセスを大切にしてください。